振り込め詐欺に関するニュース記事のまとめ。

2008年12月9日火曜日

回収役グループ、3人目の容疑者逮捕

 孫がトラブルに巻き込まれたなどと思い込ませ、代理人を装い自宅まで訪れ女性から現金をだまし取ったとして、県警捜査2課と前橋署は21日、東京都江戸川区一之江3、削り工、中村明容疑者(45)を詐欺容疑で逮捕した。中村容疑者は振り込め詐欺の現金回収役グループの1人で、メンバーの逮捕は3人目。関東近県で約15件、被害額計5000万円以上に上る詐欺事件に関与したとみられ、余罪を追及する。

 調べでは、中村容疑者は、電話をかける「だまし役」グループと共謀し、9月5日午前、新潟市の無職女性(78)方に孫を装い「保証人になってお金がいる。今日中に必要。僕の代わりの人が行くから」などと電話した。

 さらに同日午後1時半ごろ、女性方の西側車庫内で、回収役グループの東京都江東区亀戸9、指定暴力団極東会系組員、斎藤隆雄被告(35)=詐欺罪などで既に起訴=と住所不定、無職、川口辰見被告(44)=同=らと共謀して現金300万円をだまし取った疑い。中村容疑者は現場に行ったことについては認めているという。

2008年12月8日月曜日

「国際版」振り込め詐欺?中国人留学生の実家に修理代要求

 神戸市に住む中国人留学生の実家に先月、「息子がパソコンを壊したので監禁した。修理代を払え」と要求する電話があり、兵庫県警が学生を捜す騒ぎがあった。
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 学生は無事で電話の内容は虚偽とわかり、金も支払わずに済んだが、中国では別の留学生の実家にも同様の電話があったという。

 振り込め詐欺の“国際版”ともいえる犯行で、外国人留学生を支援する財団法人「日本語教育振興協会」(東京都)は日本語学校などに注意を呼びかけている。

 県警や日本語学校の関係者によると、10月16日、中国・福建省福州市にある留学生の実家に男の声で中国語の電話があり、「あなたの息子がインターネットカフェで暴れてパソコンを壊したので、地下室に閉じこめている。金を払わないと息子を海に沈める」などと脅し、2万5000元(約35万円)を中国の地元銀行の口座に振り込むよう要求。

 息子を名乗る男も電話口で、泣きながら助けを求めた。男の声には福建省特有のなまりがあったという。

 留学生は来日したばかりで、連絡が取れなかったため、母親が留学仲介会社などを通じて兵庫県警に通報。

 県警は神戸市内を捜索し、留学生を見つけ、詐欺は未遂に終わった。

 捜査員の一人は「日本で振り込め詐欺が多発していることを知った現地の中国人が手口をまね、比較的、裕福とみられる留学生宅を狙っているのではないか」と話している。

2008年12月7日日曜日

振り込め詐欺

2008年11月24日、韓国聨合ニュースによると、韓国で「振り込め詐欺」を働いた中国人留学生5人が逮捕された。5人はいずれも大学院の修士もしくは博士課程に在籍するエリート。生活費を稼ぐために犯行に及んだという。環球時報が伝えた。

韓国の警察当局によると、5人は毎日「振り込め詐欺」を繰り返し、引き出した金を詐欺グループに渡すことで、20万ウォン~30万ウォン(約1万 2000円~約1万9000円)を報酬としてもらっていた。今年9月頃からこれまでに渡した額は、毎日平均4000万ウォン(約250万円)、計16億ウォン(約1億円)に及ぶ。動機は「生活費を稼ぎたかった」としているが、韓国警察は「似たような事例は全国各地に広がっているはず」と警戒を強めている。

韓国では最近、中国人留学生による「振り込め詐欺」事件が急増中。8月には、公務員を装って指定する口座に送金を指示する手口で数億ウォンを騙し取った7人を逮捕。10月には健康保険事務所の職員を装って大金を騙し取った中国人留学生に、1年6か月の判決が言い渡されている。

2008年12月6日土曜日

制止振り切り15%が振り込め被害に

 振り込め詐欺事件の被害者のうち、金融機関の窓口やATMで「振込先は大丈夫ですか?」と職員から念押しされながら被害に遭ってしまった人が約15%いることが、県警のまとめで分かった。事件の頻発を知っていても、いざ自分の身に降り掛かると「振り込まないと大変なことになる」と思い込んでしまう人が多かったという。

 アンケートは全国の警察が緊急対策を実施した10月、県警に被害相談などをした男女115人を対象に実施。現金をだまし取られた53人から回答を得た。このうち、64%が50代以上。1人を除き、振り込め詐欺が相次いでいることは知っていたが、77%が「疑うことをしなかった」と回答した。

 15%に当たる8人が職員から注意を受けたが、犯人に「声を掛けられた際は『家の改築費用だ』と答えて」と指示されたことから、制止を振り切って振り込んでしまったという。

 県警によると、10月の振り込め詐欺認知件数は前月比27件減の62件(被害額約7300万円)と大幅に減少。一方、警察官や銀行協会職員をかたり通帳やカードを持ち去る訪問型の詐欺が増えており、手口の変化に注意を呼び掛けている。

2008年12月5日金曜日

「被害者の方に申し上げたいことがある」

 男は逮捕されてから、250日が過ぎようとしている。

 詐欺を繰り返す“日常”が一変したのは今年2月27日のこと。日課の朝のコーヒーを飲もうとしたとき、玄関のベルが鳴った。警視庁の捜査員だった。

 「逮捕状が出ています」

 共犯者の供述で、男の関与が浮かび上がったのだった。

 「『あいつ、最近いないな』と思ったら逮捕されていて、私の名前を話していたんだ。私は本名を使っていたから、簡単に分かってしまった」

 詐欺罪での起訴はほぼ終わり、公判が始まっている。

 「私が司法の場で裁きを受けるのは当然。私を失った妻や娘は社会的な制裁を受けた」

 それでも男は口を開いた。報道機関にきれいごとを言って裁判所の心証を良くしようとしているのか、改心の一環なのか、真意は分からないが、「被害を抑止することが願いで、究極の目標はすべての詐欺被害の撲滅」と強調する。

 「私は被害者の方に申し上げたいことがある」

 前置きし、語った。

 「だます側も幼稚な手口だが、だまされる側も大人の姿をした幼稚ないじめられっ子だ。普通の社会人ならとても引っかからないような言葉でだまされるわけだから、被害者にも責任はある。この現実から逃げていたら被害の撲滅などありえない。幼稚なトークにだまされてはいけない。自分のお金は自分で守らなくてはいけないと思う」

 だます側がいて初めてだまされる人が生まれる。数々の男の言葉は被害者にとって身勝手な言い分だが、拘置施設で「1番」と呼ばれる男は、それが被害者への「冒涜(ぼうとく)」だと認識している。

2008年12月4日木曜日

振り込め詐欺をバックアップする「道具屋」

 これら詐欺行為を支援するのが携帯電話や銀行口座といった犯行に必要なものを提供する「道具屋」だ。警察庁は全国の警察に道具屋の積極的な摘発を指示している。

 「道具屋とは警察が勝手に作った言葉。犯行グループの道具は細分化していて多岐にわたる」

 「携帯屋、口座屋、名簿屋、代行屋、印刷屋、まき屋、転送屋、私設私書箱などだ。こういった連中がグループに群がって犯行を支える。振り込めは大きな産業になっているといえる」

 融資保証金詐欺と架空請求詐欺の場合、ダイレクトメールや手紙を送るため、名簿屋から購入する「多重債務者名簿」が必要不可欠となる。

 「名簿屋は、ヤミ金上がりの若者が店から持ち出したデータを売るケースから本格的な業者までピンキリ。オレオレ詐欺や還付金詐欺の場合、高齢者のリストで十分足りるからさほど重要ではない。最近では名簿屋を使わず、通常の電話帳や電話番号が収録されたパソコンソフトを使って、片っ端から電話する犯人も多いと聞く」

 犯行グループが重宝するのが代行屋だ。

 「箱、いわゆる事務所を借りる際の名義貸しを行う業者だ。手数料は家賃の4カ月分が相場。月々の予算からも上前を取る。だから10件もこなせば相当なもうけになる」

2008年12月3日水曜日

源流はヤミ金

 「融資保証金詐欺だけでなく、あらゆる振り込め詐欺の手口に精通した」

 都内の拘置施設に勾留されている男(52)=詐欺罪で起訴=はこう豪語する。

 「振り込め詐欺が社会問題になったのは平成15~16年ごろからだと思うが、それ以前の社会問題にヤミ金があった」

 法定金利の上限を大幅に超える金利で貸し付ける無許可の金融業者「ヤミ金」の“残党”が始めたのが振り込め詐欺のルーツだという。

 「あるグループがヤミ金で使った多重債務者のリストを利用し、さらに金をだまし取ることを考え、始めた。これが融資保証金詐欺の発端だ」

 振り込め詐欺はヤミ金に続き、大きな社会問題となった。

 「振り込め詐欺をやっている連中も、元ヤミ金出身者が多い。そういった連中が地元のワル仲間を“業界”に誘ってグループを大きくしていった」

 金も高級ブランド品も簡単に手に入るから、なかなか足を洗えないという。

 「オレオレ詐欺や還付金詐欺の場合、1人が1日100~500人に電話するのが一般的だが、電話をかけるだけだから若者にもやりやすい。融資保証金詐欺はダイレクトメールを送って備える“待ち”の詐欺だが、郵送費など軍資金が必要になる。ある程度の組織をつくらないといけない」

 男は自分の共犯だった若者たちを見て、「悪意のなさ」に驚いたという。

 「最初は『だませるのか』と不安があっても、先輩の指導の下、いとも簡単にだませてしまう。自分のやっていることが悪いことという認識がなくなっている。『だまされる大人たちが悪い』と言わんばかりだよ」

2008年12月2日火曜日

300万円融資希望者から1600万円詐取「お笑いネタだ」

 「ダイレクトメールに応じてきた客に対し、『保証人がいない場合、当社が保証人を付けますので大丈夫』などとうそを言って、手数料名目で最初に10万~15万円を目安に請求する。『このお金はお客さまへのご融資の際に全額お返しします』とも付け加える」

 接見、手紙でのやりとりを重ねるにつれ、男は具体的な手口を明かしてきた。

 「融資希望額100万円で申し込んできた客が2日間で6~7回だまされ、手数料や保証料やらで1000万円以上を振り込まされることもある」。300万円の融資を希望しながら、1600万円を巻き上げられた被害者も知っているという。

 警察庁によると、今年の融資保証金詐欺の被害額は9月末時点で29億8374万円。前年同期比で約1億円増。振り込め詐欺の中でも被害者を徹底的に食い物にすることから、悪質といわれる。

 それでなくても多重債務者や零細企業経営者ら金に困っている人を標的にするため、大阪や新潟では被害者が自殺に追い込まれたケースもあった。

 「そんなに現金があるのになぜ300万円の融資を申し込んできたかはナゾだが、われわれの中ではお笑いネタになっていた」

 男は18年12月、芸能プロを設立する夢をかなえた。被害者を踏み台にした“汚れた夢”だった。

2008年12月1日月曜日

振り込め詐欺会社の運営費用は月600万円だった

 「やはりお金ということでしょうか」

 男が振り込め詐欺犯になった理由は金だった。

 男は昭和60年代のバブル期以降、不動産業を営んでいたが、会社をたたみ、平成18年に芸能事務所を立ち上げようとしていた。

 設立資金がほしかった時期に声をかけてきたのが「知り合いの男」だった。

 「共犯に関することは公判中なので詳しく述べることは差し控えたい」

 男はこの人物について多くを語らないが、地下社会に精通した者だったという。

 「私はそれまで逮捕歴もなければ、世間に後ろめたいことをしたこともなかった。話を持ちかけられたとき、冷静な判断ができなかったのだろう」

 「知り合いの男」の誘いは振り込め詐欺のリーダーになることだった。

 話に乗った。

 「すでに運営が始まっているグループを引き受けた。いわば“振り込め会社”を引き継いだようなもの。グループの運営費はダイレクトメール費などで月600万円かかった」

 男の役割は収益金管理。ダイレクトメールを発送する役、電話を受けるだまし役ら共犯者を“新規募集”する際には「手配師」と呼ばれる人物に依頼した。

 「手配師は警察が言う道具屋のひとつで、振り込め詐欺の“人材”を提供する業者。そうした業者の紹介は知り合いの男から受けた」

 男はその後、複数のグループを“買収”して傘下に収め、手広く振り込め詐欺を展開するようになった。

 「一般論で言うと、融資保証金詐欺の一つの“店舗”の純利益は月2000万~3000万円。私はそれほど稼いでなかったが、若者たちにはきちんと分配していた。いいリーダーだったと思うよ」

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